《完》DEVIL'S SWEET 〜天使の憂鬱〜
「三条玲斗です。

―――はじめまして」



玲斗の態度がずいぶん丁寧
だと思ってたら、二人は
初対面だったんだ。



黙って見つめながらそんな
ことを考えてたら、ふいに
玲斗がこっちを向く。



「陽菜は、久しぶり。

この間は色々迷惑かけて
悪かったね」



「え? ……あ、ううん、
こっちこそ……」



十数日ぶりに玲斗と
交わした言葉はこれだった。



玲斗はあたしの名前こそ
普通に呼んでるものの、
いたって爽やかで後ろ
めたそうな様子も皆無。


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