《完》DEVIL'S SWEET 〜天使の憂鬱〜
「ゴメン。

――でも、今夜は優しく
なんてできないかも。

悪いけどそんな余裕、ない」



「玲斗――…」



(大丈夫だよ。

余裕がないのは、あたしも
一緒………)




もう言葉なんていらない。



ただ、あたしの全身で
玲斗を感じたいよ。



玲斗とひとつになりたい。



――今日ほどそれを強く
願ったことは、きっと
今までなかったと思う。




「好きなの――玲斗――…」




あたしにとってはパンドラ
の箱だったその一言が、
もう抑え切れずにスルリと
口をついた。


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