《完》DEVIL'S SWEET 〜天使の憂鬱〜
「え…………?」



妖艶な響きを含むイジワル
な声に、あたしは瞳を震わせた。



玲斗はそんなあたしに
フッと吐息混じりにほほ笑むと、



「溺れてるのはオレの方なのに。

ホントにキミは、オレから
何でもかんでも奪ってく――…」



(どーゆーこと?

あたし、何も奪ってなんか――)



心の声をふさぐみたいに、
また、素早いキスが降ってきた。



そしてあたしの考えなんて
お見通しだって言わん
ばかりの、ちょっと低い
ゆっくりした口調で、


_
< 181 / 240 >

この作品をシェア

pagetop