《完》DEVIL'S SWEET 〜天使の憂鬱〜
それにそんなのはまるで
玲斗との関係を利用してる
みたいで、フェアじゃないし。



そういう思いだったから、
緊張して玲斗の声に耳を
澄ませてた。



けど――玲斗がつむいだ
のは、否定の言葉。



『そんなのじゃないよ。

今のオレにはもう、そんな
つもりはひとつもない』



「――ホ、ホントに……?」



『あぁ。

そんなことしなくたって、
もうみんな陽菜に注目してる』



電話の向こうで、玲斗は
キッパリとそう言い切った。


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