雲から愛の涙
──────…
放課後。
今日は午前中だけで学校が終わった。ラッキーだけどすることないから暇なんだよね。
部活もしてないし。
中学生だからバイトも無理。
「じゃなっ、奏音!」
ヘッドホンを耳にかけようとしていた時に肩をポンと光輝に叩かれて言われた。
相も変わらず爽やかスマイル。
ずば抜けたイケメンだよね。もはや芸術作品的な感じ。
そのせいであたしの性格はかなり、ひねくれたものになってしまったが。
あたしは光輝の背中を見つめながら、そんなことを考えていた。
「かなちゃん、一緒に帰ろ~」
「た、たける……」
か、可愛い……
母性本能をくすぐると言うのは、こういうことなんだろう。
……けど。