雲から愛の涙

――じゃあ、どうしろって言うのよ。


理不尽な悪口に心が痛む。それを誤魔化すようにあたしはヘッドホンを耳に装着。


耳が痛くなるぐらいに音量を上げ、周りの音が一切入らないようにして教室を出た。


のどがツーンと痛むのは、涙を我慢しているからなのかな?


あぁ、悔しい。


本当は、言いたい。



―――あたしが悪いの?

―――ふざけないで!



叫びたい。怒りたい。


誰かに話を聞いてほしい。


でもそんな存在、あたしには居なくて。

どうしても一人抱え込むしかできない。


辛い……。


下を向いて、何も考えずに歩いていたからか気づかなかった。


前から人が来ていたことに。
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