雲から愛の涙
「お前の将来、不安だなぁー」
「あたしの担任が河野先生だってことの方が、よっぽど不安だけどね」
先生の言葉なんて聞かない、という意味合いですかさずヘッドホンを耳につける。
先生の呆れ顔が一瞬目に入ったけれど、気にせずに歩いた。
受験とか……めんどくさい。
頭が考えることを拒否した。だから再び音楽に集中することにした。
チュッパチャップスの棒を持って一旦口から出す。そして口に含む。
「───……」
憂鬱。全てが憂鬱。
なんで教室に入っただけでこんなに注目を集めなきゃいけないの?