こちらサンタ養成所
lesson 5 プレゼントのおき方
諸君!ラッピングは散々だったな。特に授業中にババヌキを始めた者!!貴様ら、なっとらん!本気でサンタになる気があるのか?



遊び気分ならとっとと荷物をまとめて帰れ!まじめに頑張ってる実習生に失礼だ。



さて、今日はプレゼントのおき方について学習しよう。



何よりも大切なのはきちんと子供達が寝たか見極めることだ。寝てると見せかけて薄目をあけて見てるからな。


進入は煙突から…とテキストには書いてあるが、煙突のない家も多い。そんな場合は窓から進入する。



そりとトナカイを空中に浮かせておいて窓に飛びうつるからかなり危険なミッションだ。どうしてもこわいヤツは屋上に縄はしごをつける方法もあるがな。


鍵がかかっている場合は泥棒まがいのこともしなきゃならんが、警察にはわしから言っておく。



進入したら差し足抜き足忍び足だぞ。つまさきで歩く感じだな。置く場所は枕元、ツリーの下などだが大きさによって判断してくれ。


たまに「サンタさんありがとう」とミルクやクッキーをおいてくれる子供達もいるから有り難くいただけ。



さあ、ペアになって!片方が子供役になっておき方の練習だ!始め!



ご丁寧に実習室にはドラマのセットのように子供部屋が再現され、窓までついていた。



窓に飛びうつりそこねて庭の木にひっかかる者、つまさき立ちで歩いて足がつる者、枕元に自転車をおいて危ないと注意される者、くつしたに入れてくださいと書いてあるのに間違えて玄関のくつに入れる者…



相変わらずドジな実習生たちであったが必死に頑張っている姿を暖かく見守る鬼教官なのだった。

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