リフレイン〜3rd Season〜
――次の日。
「朱里っ、おはよ!」
「おはよう、水樹…ってどうしたの?そんなに慌てて」
あたしはオフィスに入るなり、朱里に歩み寄った。
「あのさ、ちょっと協力して欲しいことがあって…」
「協力?」
朱里はキョトンとした。
「うん。樹里のことでさ」
樹里の名前を出すと、朱里の顔が不機嫌になった。
「あー…樹里ね。あの子…ちょっと無愛想すぎない?今朝だって会っても挨拶1つなしよ?」
朱里はハーッと溜め息を吐いた。
「え?挨拶1つなし!?」
あたしは思わず身を乗り出した。
「そうよ〜?今日ね、あたし電車で来たのよ。あの子もそうだったみたいで、駅で会ったから挨拶したのよ。そうしたら無視よ?無ー視」
朱里はおどけて見せた。
樹里…。
先輩に対する礼儀も出来ないなんて……。
あたしは少なからず、樹里に怒りを感じていた。