リフレイン〜3rd Season〜
「えっ?会いたくないって……」
「あたしの父親ね…今どき、いない様な堅物なのよ。それのせいであたしは小さい頃からずっと嫌な思いしてきたの。」
「うん…」
「お母さんだって父には逆らえなかったし、挙げ句の果て、“女なんてのは仕事なんざするもんじゃない。どうしてもって言うんなら事務でも受付でもやってろ!”なんて言うのよ」
あたしはコーヒーのカップを握り締める。
「だから、あたしは警察官を目指した。絶対にこの人の言うような平凡な女で終わらない!って誓って……絶対に男社会でも上に立ってやる!って心に決めて……SPになったの」
「……朱里」
「でも……たまに羨ましくなるの。健太みたいに幸せな家庭で育った人が。あたしなんて、こんな……」
「朱里」
健太は困ったように微笑み、ぎゅっとあたしを抱き締めた。
いつの間にか、カップはテーブルに置かれていた。
「辛かったな、今まで。でも朱里…俺達が一生一緒にいるには、やっぱりご両親の合意が必要になってくる。そうだろ?」
「うん…」
「ご両親に挨拶しに行こう。大丈夫だ、俺がついてる」
優しくて、温かい言葉。
健太だって、不安なハズなのに。