リフレイン〜3rd Season〜

「……っ…ぅ…」




あたしは何故か泣き出してしまった。




情けないな…
これくらいで泣くなんて。




けど…潤が宮下を家まで送った事実。




渡されたピアスを見る度、胸が苦しくなる…。




――カチャ




いきなり寝室の扉が開いた。




嘘っ…潤……?




あたしは急いで立ち上がる。




「水樹?どうした?」




潤はあたしがしゃがみ込んでいたのを不思議に思ったのか、心配そうな声を出した。




「な、何もないよ!気にしないで」



あたしは瞳から流れ出た涙を拭った。




――グイッ!




えっ…?




気付くと、あたしの体は潤の逞しい腕に包まれていた。




「じゅ、潤…?」




「水樹、何かあったのか?」




潤はあたしの髪を優しく、あやすように撫でながら言う。




たったそれだけで、泣きそうになる。




あたし、かなりの重症だよ…。




「ん…大丈夫だよ…心配掛けてごめんね……?」




あたしは潤からグッと体を離すと、ポケットからピアスを出した。



……渡さなきゃだね。




「……あのね…これ…今朝、宮下さんって人に渡されたんだ」




潤はあたしの掌にあるシルバーピアスを険しい表情で見つめている。




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