リフレイン〜3rd Season〜
まぁ朱里は“アイツにはボクシングなんて到底無理よ”なーんて笑ってたけど(笑)。
「朱里は今日また誰かに付いてるんだ?」
「みたいだよ。確か誰だったかの応援警護!」
健太は耳当てを外しながら言った。
「そっかそっか…あたし達はまた明日辺りから任務だね」
「そうだな〜。変なヤツに付きたくねぇなー」
健太はうんざりしたような顔をした。
「なんかさ!前に俺が付いたヤツがすんげぇ生意気で!!“邪魔だ!”とか言って凄い力で叩いてくるんだぜ!?」
「うわっ!マジで!?そりゃ最悪だねー」
あたしは目を丸くした。
あたしはまだそういうヤツに当たったことないけど…
やだなぁ。
もし当たったりしたら。
「よしっ!もういっちょやるか!」
健太が耳当てを付けて銃を構えた。
――その時。
「――水樹さん!戸田水樹さん、いらっしゃいますか!?」
いきなり訓練場の扉が開いた。
えっ?
あたし?
よく見てみると、潤と同じ三係のSP・大野薫(おおのかおる)がいた。
薫はあたしより1つ年下。
あたしがSPになった頃から仲良くしてた子で…。最近は忙しくて話す暇もなかったっけ。
「どーしたの?薫」
あたしは耳当てとアイマスクを取り、銃を置くと薫に近付いた。