どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「瑞季、友達と買い物は…?」
「もう終わって暇だから帰ってきた。」
目を開いて瑞季を見る俺に
どうしたの、そんなに驚いた顔して。
と笑いながら買ってきた物が入った袋を床に置く。
「瑞季に逢いてぇと思ってたら瑞季が帰ってきたから…。」
「何それ。いつも逢えるじゃん。一緒に住んでるんだから。」
フフッと瑞季がベットの端に腰掛けて笑う。
それがすげぇ可愛かった。
触れたくなって瑞季に手を伸ばす。
「あ、そうだった。」
――…そのまま、瑞季に触れるか触れないかの距離で瑞季が何かを思い出したように突然、立ち上がった。
それによって俺の手は宙を切る。
「渉に見せたいものがあるの。だから、ちょっとそこで待っててね。」
瑞季がポンポンとベットを軽く叩いて袋を持って出ていく。
――パタンッ――
閉じた扉を寝転がったままジーと見つめる。
「生殺し…。」
ポソリ、そう呟いて俺はまた目を閉じた。