どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「えー?何処何処?」
首を傾げながら俺の後ろを小走りでついてきて、でもすげぇワクワクした様子で目を輝かす瑞季。
そんな様子の瑞季を見て俺が何とも思わねぇ訳がねぇ。
可愛ぃ、とも思ったがそれより先に出てきた感情は
「お前、犬かよ。」
だった。
瑞季の頭と尻に耳と尻尾が見えて仕方がねぇ。
クスクスと笑っている俺を見て瑞季は頬をこれでもかというぐらい膨らまして俺を睨む。
「もう!渉の馬鹿!」
プンッ!という効果音が付きそうな程ふて腐れた瑞季は瑞季には悪いが…
可愛ぃ。
瑞季が余計に可愛くて仕方がなくなった俺は今度は大きな声でゲラゲラと笑う。
そんな俺の様子を見て瑞季が
もう!
ともっと怒って頬がハリセンボが膨れたみたいになっていた。
まぁ、そういう処も俺には可愛ぃく見えてツボなんだが。
でも、これを言ったら瑞季が怒るから自分の中にとどめおいて目的地まで自転車をこぎ始めた。