どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「ねぇねぇ、何処に行くのかぃぃ加減教えてよー。」
ムウッとまた頬を膨らませながら俺の横を不機嫌そうに自転車をこぐ瑞季。
…黙って楽しみにして待っておくっていう考えは瑞季にはねぇのか、と首を振る。
「何よ、教えてくれてもぃぃじゃない!もう渉嫌い!」
「おい、嫌いは止めろ。」
嫌いって何だよ、嫌いって。
そんな事で嫌いになられたら俺は悲しすぎて死んぢまうわ。
つぅーか今でも結構ダメージでかかったのによ。
本当に嫌いになられたらマジで傷付くぞ、俺は。
ハッと鼻で笑って瑞季を見る。
そこで見たものは瑞季のニヤリとした表情。
……うん、コイツわざと言ったな。
今度はフッと瑞季にバレねぇように静かに笑った。
「瑞季、俺にいたずらし過ぎたらどうなるか分かってるんだろうねぇ?」
フフッ、と怪しく瑞季に笑いかける。
マジでコイツ、今日はお仕置きだな。