どうしょうもねぇくれぇ、好き。
そしてやっぱり
「ねぇ、渉。此所って何処なの?
周りには葉っぱと木と所々に置かれたベンチしか見当たらないんだけど…。」
瑞季には"黙る"というのは至難の技に入るらしい。
まぁでも気になるのは当然か。
瑞季が言う通り、本当に葉っぱと木と一定の間隔で置かれたベンチしかねぇんだから。
俺でも気になるかな。と思い、瑞季に場所を教える事にした。
「此所な、本当は公園なんだよ。何もねぇけどな。」
「公園!!」
やたら嬉しそうに公園という単語を呟く瑞季。
もはや、お前のツボが分かんねぇわ。
「まぁ、もうすぐ瑞季の興奮する景色が見れるから大人しく待っとけよ。」
「うん!」
公園と聞いて興奮している瑞季の頭を優しく撫でると瑞季が嬉しそうに頷いて俺に抱き付いてきた。
おぉ、なんて大胆なアタック。
このまま襲ってぃぃってか?
いやいや、景色見るのが先だ。
ブンブンと頭を振る。何考えてんだ俺。
と、自分にダメだと言い聞かせていると
「渉!凄いよ凄い!」
瑞季が興奮して俺の首もとの襟を掴んできた。