どうしょうもねぇくれぇ、好き。





でもその時に俺の少し長い襟足が巻き込まれて



「いでででででっ!」



むっちゃくちゃ痛かった。



終いにはブチブチッとか聞こえて景色どころじゃなかった。


いやまぁ、瑞季は気付かずに夕日が昇ってくるのを楽しんでたが。



俺の元気のボルテージが一気に下がった気がした。


つぅーか下がった。



でも涙目になりながら見た瑞季の笑顔と夕日が眩しくて綺麗だったら許した。



…なんて優しい俺。




ってか、瑞季はどんだけ力強えんだよ。怪力か。




ふぅ、と小さく息をつく。



そんで、さっきから気になってる事に意識を持っていく。




胸、当たってんだけどな…。



俺は今日、ずっと本能と理性と戦ってきて。


もう…我慢できねぇかも。




瑞季の髪の毛が風に吹かれて瑞季のシャンプーの匂いが俺の鼻を掠める。



甘くて、美味しそうな、匂いが。


頭がクラクラとしてきて。




「瑞季…限界かも。」



「え?何が?」



「も…我慢できねぇ。」




ブツリと、理性がなくなった音がした。





< 157 / 176 >

この作品をシェア

pagetop