どうしょうもねぇくれぇ、好き。





「結婚って…」



「私と結婚、嫌なの?」




まだボーとした意識のまま呟くと瑞季がすげぇ悲しそうな顔をする。



…その顔は止めてくれ。


逆らえそうにねぇから。




そんな事を思っていると…




「ヒック、ウッ…やっぱり私じゃ駄目なの?」




早とちりした瑞季が泣いた。


ちょっと待て。




「瑞季…泣くなって。頼むから…。」




瑞季の涙に弱ぇ俺は瑞季に触れるか触れねぇかという曖昧な距離で、おろおろあわあわと戸惑う。




「だっ…て、わ、たるは私じゃ結婚でき…なって……」



「…そんな事言ってねぇよ。」




ヒックヒックと何を言ってんのか分かんねぇ言葉を呟きながら泣き続ける瑞季を前から優しく抱き締める。




「俺の方こそ不安だよ。瑞季に結婚を拒否されたらとか、瑞季が居なくなったらとか考えてさ。」



「本当に…?」




瑞季が顔を上げて俺を見つめる。


泣いたから少し目が赤くなっていた。






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