どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「瑞奈、戻しなさい。」
瑞季が瑞奈の同じ目線になるように屈み、俺はハハ…と苦笑いしながら瑞奈を抱き上げる。
「戻しなさい。」
「え~、せっかくとったのに…。」
プウッと頬を膨らまして拗ねる瑞奈。
どっかの誰かさんとそっくりだ。
読者の皆は薄々気付いてると思うが…瑞奈、というのは俺と瑞季のあと一週間で三歳になる子供。
俺と瑞季は約束していた通り、大学を卒業してすぐに結婚。
結婚式の時は祐毅がメチャクチャ上手い歌を歌ってくれて感動と驚愕をした。
あいつ、カッコよくて、頭よくて、スポーツ万能で、歌が上手いって言うこと無しの完璧王子様じゃねぇか。
まぁ、そんな事を言ったら祐毅に
そんな完璧な人間居るわけねぇだろ。
とか言って顔を顰めるんだろーけどよ。
でも、羨ましいに越した事はねぇ。その才能、ちったぁ俺に分けてくれてもぃぃんじゃねぇのか?
ま、無理だから言わねぇが。