どうしょうもねぇくれぇ、好き。
服装を否定する俺に今度は瑞季が顔を顰める。
「もう。お父さんと一緒に暮らしてるみたい。」
はあ、とため息をわざとらしくつく瑞季。
「でも、そんな瑞季もココアは好きだろ?」
俺が表情を崩さずにそう言い放つと
「…。」
瑞季は悔しそうな顔をしてから部屋に戻っていった。
その姿を笑顔で見届ける。
「本当、頑固…。」
瑞季はココアが飲みたいらしく、取り敢えず今日は大人しく折れてくれたけど、いつもはもっと頑固だ。
「まぁ、そこが可愛ぃんだけど。」
ボソッと呟いて、壁に掛かってる時計で時間を確認する。
「俺ももうそろそろ着替えるか。」
一つ、大きく体を伸ばして俺も大学に行く為、着替える事にした。