どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「私…何か悪い事した?」
「してねぇ。」
「じゃあ何で怒ってるの?」
「怒ってねぇし。」
「怒ってるよ。」
「怒ってねぇ。」
「怒「うるせぇ。」んっ、」
黙れ。怒ってねぇ。何で俺が怒んねぇといけねぇんだ。
瑞季の口を俺の口で塞ぐ。
もう何も言えなくなるように。
何度も、何度も角度を変えて。
他の男に妄想されてんじゃねぇよ。
話してんじゃねぇ。
見られんな。
触られそうになってんじゃねぇ。
その声や、目や、髪や、唇や、身体は―…
俺だけに向けてればぃぃ。
「はぁっ。く…るし、」
瑞季が苦しそうに俺の胸辺りを叩く。
それを分かっていながらも止めない俺は、相当瑞季に依存してしまっている。
瑞季から唇をゆっくり離す。
さっきまで瑞季を感じていたのに名残惜しくて、寂しかった。