どうしょうもねぇくれぇ、好き。
そういえば瑞季は前住んでいた家を出て俺の家に住んでるんだった。
キョロキョロと周りを見渡す。
長く一緒に居すぎて忘れてた。
ふぅ、息を一つ吐く。
この家には思い出がありすぎる。
穏やかだった、幸せだった、日々が。
泣きたくなる。
今までが幸せだったのに、と思ってしまう。
このままだと、今までの思い出も嫌な思い出へと変化してしまう。
"逃げたい"そんな気持ちが浮かんできて。
――バタンッ――
俺はココアを机の上に置いて、大学に必要な鞄を持って家を逃げるようにして出た。