どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「えっと…で、告白の件は…」
「あぁ、ごめん。俺、好きな女居っから無理。好きになってくれたのにわりぃな。」
折角、告白してくれたのにひでぇ扱いかな。
と思ったけど今は瑞季に逢いたくて仕方なくて少し冷たく言い放つ。
大体、顔も名前も知らねぇ女に告られてOKする訳ねぇだろうが。
つぅーか女とか瑞季しか見てねぇよ。
この半年間、ずっと瑞季が好きなんだからよ。
「じゃあ、そういう事だから。」
そう言って家に早足で歩く。
とんだ時間のロスだ。
奮い立たせていた気持ちが落ち着きを取り戻していく。
…最悪だ。
これはまた、自分を奮い立たせねぇといけねぇんじゃねぇのか?
「…………マジかよ。」
止めてくれ。
苦労したんだぞ、さっきの状態まで自分を奮い立たせるの。
右手でこめかみを押さえる。
うーん。またやるしかねぇよなぁ…。
しょうがねぇ、と歩きながら息を吸う。
爽やかな外の空気が体に入っていく。
あぁ、やっぱり空気を思いっきり吸うのはぃぃな。
と、目を細めて夕日を見つめていると
「待って!」
また甘ったるい声が。