どうしょうもねぇくれぇ、好き。





…まさか。



いやいや、さっき俺フッたし。


ちゃんと俺、断ったよな?



え、じゃあさっきの声は何だ!?



ゆっくりと後ろを見る。




………予想的中。




やっぱり、俺の後ろにはさつきの女が立っていた。



呼び止められた事にかなり腹が立つ。




「んだよ。」




イラッときてキツい口調になってしまった。



…まぁ、この女が原因なんだからしょうがねぇんだけど。




チラッと目の前の女を見ると、女は悲しそうに眉毛を下げていて。




「好きな人って……遠藤さん?」




いきなり質問をしてきた。



…何が聞きてぇんだ?コイツ。



そんなん聞いて何が楽しいんだ?と思いながら女の質問に答える。




「そうだけど。それが何。」




面倒臭ぇ…。

早くしてくんねぇかな。



ガシガシと頭を掻く。



でも、目の前の女はそんな俺の様子を全く見てなくて




「…あの、遠藤さんの代わりでもぃぃの。


私を、遠藤さんの代わりにして…。」




意味不明な事を言い出した。




「はぁ?」




この発言には俺の口もあんぐりと開く。





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