どうしょうもねぇくれぇ、好き。
その言葉は俺がキレるのには充分で。
プツンッと。
何かが切れた音がした。
――ガシャンッ!――
ベットが大きく揺れる。
その原因は俺が鉄製のベットの背もたれを強く叩いたからで。
瑞季の体が大きく、揺れた。
「お前に何が分かんだよ。」
絞り出した声は自分でもビックリするぐらい低かった。
「要らねぇ?それなら、もうぃぃ。俺も勝手にさせてもらう。」
瑞季がベットから起き上がり、
待って…。
と口を開くけど、俺の怒りは止まってくれなかった。
「俺、あの女と付き合うわ。」
ハッと鼻で笑って瑞季を見る。
何で自分でもこんな事になってんのか分からなかった。
「待って、渉。」
瑞季が俺の腕を弱く掴む。
でも、そんな瑞季の手を俺は
「出てけ。」
さっき瑞季にされたように、払った。
「わ、渉…ごめん。言い過ぎた…。やだ。出ていけとか言わないで。」
瑞季が泣きながら俺を見上げる。
胸が傷んだけど…その頭をヨシヨシ、と撫でる事は出来ねぇ。