どうしょうもねぇくれぇ、好き。
…んだこれ。昨日感じた想いと全然ちげぇ。
想いを伝えてスッキリした筈なのに、こんなにも…
「痛ぇ…。」
気付けば涙を流していた。
俺の心が
"瑞季が居ねぇ"
その現実を信じたくねぇ。と悲鳴をあげる。
「…っ、」
苦しい。こんなにも、俺はお前を好きなのに。
昨日、俺に向けられた瑞季の冷たい視線を思い出す。
あん時も苦しかった。悲しかった。
俺はもう、瑞季に必要ねぇのかって。要らねぇのかって。
何で、何で中村なんだって…
視界が滲んで煙草の煙がぼやけて見える。
俺ってこんなに泣き虫だったっけ?
涙を拭う手を見つめる。
「…瑞季が居たからか…。」
俺の喜怒哀楽は今となってはアイツから出来てた。
なんて事に今更気付くなんて。
俺は
「どうしょうもねぇな。」
フッと声を出して笑う。
……どうしょうもねぇくらい、お前が好きな事に今更、気付いた。