どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「いででででででっ!?渉くん、待って!
抜けちゃう抜けちゃう!毛根が痛ぇって泣いてるって!」
「泣けよ。」
「ちょっ、渉はいつの間にSになっちゃったの!」
「元からだ、ボケ。」
「わぁ。本っ当に人間って数日で性格変わっちゃう事ってあるんだ。」
「黙れよ。」
口元に右手を持っていってしみじみと喋る祐毅。
おい。口を手で隠してんだろーけど、笑ってんの隠せてねぇぞ。
「まぁ、ドンマイ!!」
「はっ?」
急に慰めモードに入った祐毅に冷てぇ目線を送る。
すると、祐毅は
怖いなぁ~。
と口を尖らせながら俺の肩をつつく。
何キャラだよ。
「そんなに遠藤が気になるんだったら他に彼女作っちゃえば?」
ま、渉はそんな事しねぇだろうけど。と祐毅が俺の頭をポンポンッと叩きながら言う。
髪の毛、一応ワックスでセットしてんだから触るな。
「でもさぁ、前から思ってたけど渉を好きな女、結構居ると思うんだよなぁ。」
うんうん。と一人で納得する祐毅。
おい、またお前は勝手に妄想の中に入って自分で話を終わらすのか。