スパイ・ハイスクール


そして、ちびちびとお茶を飲みだす山口さん。どんだけ小心者なんだ、と思ってしまうくらい目をきょろきょろさせながら。

そして、


「山口さん、単刀直入に言いますね。あなた、人じゃないでしょう?」

「ぶっ!」


お茶を盛大に吹き出した。どうやら図星らしい。


「ぇ、そそそそんなことは無いです」

「じゃあその震える手は何ですか?」


そして嘘をつくのがニガテらしい。


「違います!僕は人間です」

「じゃあ、」


奏が紅茶を1口啜り、残りの言葉を言い切る。


「こんな手は使いたくないのですが 外に出て貰えますか?勿論、顏を隠さずに。そうそう、今日は月が 綺麗で「いやっやややっやあめてええぇええ」


にこにこと、そして目をキラキラさせながら。


< 105 / 165 >

この作品をシェア

pagetop