スパイ・ハイスクール
そして、ちびちびとお茶を飲みだす山口さん。どんだけ小心者なんだ、と思ってしまうくらい目をきょろきょろさせながら。
そして、
「山口さん、単刀直入に言いますね。あなた、人じゃないでしょう?」
「ぶっ!」
お茶を盛大に吹き出した。どうやら図星らしい。
「ぇ、そそそそんなことは無いです」
「じゃあその震える手は何ですか?」
そして嘘をつくのがニガテらしい。
「違います!僕は人間です」
「じゃあ、」
奏が紅茶を1口啜り、残りの言葉を言い切る。
「こんな手は使いたくないのですが 外に出て貰えますか?勿論、顏を隠さずに。そうそう、今日は月が 綺麗で「いやっやややっやあめてええぇええ」
にこにこと、そして目をキラキラさせながら。