スパイ・ハイスクール


「最初は僕も、まさか山口さんが......。と思っていました。しかし、どんどん根拠が浮かび上がってくるのです。


第一に月の満ち欠けに呼応するような子犬の鳴き声。


第二に、あなたの月への恐怖心。


そして、最後に人間とは思えない身体能力。


僕自身も混乱しましたが、そうとしか思えなくなってきたのです。


先ほどはなるべく山口さんの口からお話を聞きたくて、あえて、月への恐怖心だけを言いましたが、本当はこれだけの根拠があって「狼人間ではないのか」と言わせていただきました。


ーーーいかがですか?」



奏は息継ぎも無しで、一気に言い切った。
< 112 / 165 >

この作品をシェア

pagetop