スパイ・ハイスクール
「最初は僕も、まさか山口さんが......。と思っていました。しかし、どんどん根拠が浮かび上がってくるのです。
第一に月の満ち欠けに呼応するような子犬の鳴き声。
第二に、あなたの月への恐怖心。
そして、最後に人間とは思えない身体能力。
僕自身も混乱しましたが、そうとしか思えなくなってきたのです。
先ほどはなるべく山口さんの口からお話を聞きたくて、あえて、月への恐怖心だけを言いましたが、本当はこれだけの根拠があって「狼人間ではないのか」と言わせていただきました。
ーーーいかがですか?」
奏は息継ぎも無しで、一気に言い切った。