スパイ・ハイスクール
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「いいかげんにしろって何回言ったら分かるんだ?」
ここはとあるビルの一室。
今まではとある企業が使っていたのだが、その企業がこのビルを売り払ったため、私達の本部として使わせてもらっている。
まあ、そのとある企業というのは今、目の前にいて、私を怒りつけている小野寺 奏(オノデラ ソウ)の祖父が会長を勤める小野寺グループなのだけれど。
私と徳佐の一つ上の高校2年生。綺麗な黒色の髪をすっと横に流し、黒縁眼鏡がよく似合う、世に言うイケメンという奴だ。
「だって原がムカつくんだよ!」
「あれだけトラブルの元は作るな、と言っただろ。それに学校にこの活動の事がばれたら面倒なんだから、「あーもう、分かった分かった」
「絶対分かってないでしょー?棗さん?」
「だまれ徳佐。元はと言えば、お前が奏にチクったせいで、私が正座して怒られるはめになってるんだろ」
「原に対してガキな行動とった棗が悪い」
「お前っ「2人共、とりあえず黙れ」
げんこつ一発、いっとく?と目の前の閻魔大王が笑顔でいうもんだから私も徳佐も固まるしかなかった。