スパイ・ハイスクール
急に私と徳佐との会話に入ってきた声。
入り口の方を見ると、待ち人の姿があった。
「山下先生(やました)先生!」
よれよれと白衣を身にまとい、白髪が目立つ髪を整えるこの人こそが、私達を呼び出した張本人。山下先生だ。
普段はあまり生徒と喋らないもの静かな先生だ。
髪の毛がボサボサなのを見ると、わざわざ走って来てくれたのが分かる。
「呼び出しておきながら、待たせてしまったね。すまない」
「いえ。僕らも今来たところなんで」
そう徳佐が言うと、嬉しそうに目を細めた。
「では、早速本題だ。今日は君達に言いたいことがあって、ここに来てもらった」