スパイ・ハイスクール
そう言うと、先生は頭を上げた。
そして、口を開いた。
「実は......。
私、狼人間なんです。先日は半狼人間の同士を助けていただいたようで。ありがとうございました。あ、私と妻なんですよ。あの薬草を販売しているのは」
.....................!
その日、校舎中に可笑しな絶叫が響いたとか、響かなかったとか。
この時、化学の先生が授業中に、何故満月の話をしていたかが分かったような気がした。
*
「あれさ、マジでびびった」
「まーねー。驚いた」
「てか、なんで奏は呼ばれてないの?」
「あー。なんかね、委員会で忙しかったらしいよ」
「ふーん」