スパイ・ハイスクール
「徳佐がこんな退屈そうにしてるの、何年ぶりかしら」
そういって何かを悟ったように言うのは真希。
「何笑ってんの、真希」
「ふふっ、退屈なのは棗がいないからじゃない?」
「あー......。そうかもね。あの五月蝿い犬がいないからだ」
「あら、案外あっさり認めるのね」
「あの犬以外、何の理由があるのさ。まじ暇」
「あーもう、はいはい。なんなら宿題でも持ってくればいいじゃない」
「うん、明日からそうする」
(さっきみたオーラはヒミツにしておいてあげる、徳佐)
そう真希が思ったことは誰も知らない。