スパイ・ハイスクール




私はソノ目を鏡越しに見たことがあった。

生きる希望をなくして、死んだ目。
生きる意味をなくして、死んだ目。

ーーねぇ、君に、何があったの?






色とりどりの花が植えられた花園。庭師が手入れしたであろうたくさんの木々。


「あの、豪華すぎません?」

「何がですか?」

「えと、この庭とか」

「そんなことはありません。お嬢様方の心の癒しになる大切な庭ですから」

(にしては豪華過ぎんだろ。)


私は周りをキョロキョロと見ながら、神埼さんと共に、校門からの道のりを歩いていた。目に飛び込んでくるのは、高校とは思えない光景ばかりで瞬きをするのも忘れてしまいそう。

すると神埼さんが立ち止まった。そして


「こちらが学校になります」




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