スパイ・ハイスクール
私はソノ目を鏡越しに見たことがあった。
生きる希望をなくして、死んだ目。
生きる意味をなくして、死んだ目。
ーーねぇ、君に、何があったの?
◆
色とりどりの花が植えられた花園。庭師が手入れしたであろうたくさんの木々。
「あの、豪華すぎません?」
「何がですか?」
「えと、この庭とか」
「そんなことはありません。お嬢様方の心の癒しになる大切な庭ですから」
(にしては豪華過ぎんだろ。)
私は周りをキョロキョロと見ながら、神埼さんと共に、校門からの道のりを歩いていた。目に飛び込んでくるのは、高校とは思えない光景ばかりで瞬きをするのも忘れてしまいそう。
すると神埼さんが立ち止まった。そして
「こちらが学校になります」