スパイ・ハイスクール


「私の部屋ってどこになるんですか?」


てくてく、と歩きながら聞いてみた。今更気付いたことだが、神埼さんは歩幅の小さい私に歩くペースを合わせてくれているようだ。私より身長が遥かに大きな神埼さんと私の歩幅が同じなわけないからね。


「実際に行けば分かりますが、202号室になります」


そう言うと 神埼さんは私の耳元に小さく耳打ちした。


「副理事長の計らいで、有紀様が使っていたお隣の部屋になります」

「有紀さんは、200......?」

「201号室でした。今も現場はそのままになっております」

「それは自由に出入りしてもよい、ととらえていいんですか?」

「勿論でございます。ただし、周りの生徒に見られないようにお願い致します」









< 150 / 165 >

この作品をシェア

pagetop