スパイ・ハイスクール

そして授業が始まった。
内容は1学期の復習に始まり、終盤に差し掛かると2学期の予習になるそうだ。



授業を受けていて気づいた事がある。

それはこのクラスは日野かぐやという女子生徒を中心に回っているということ。


日野かぐや(ヒノ カグヤ)

丁寧にブローされた長い黒髪。小さな顔、細い手足。誰もが憧れるようなルックスをもちながら更に頭も良い。ほら、今も。


「この問題が分かる人は......、日野さんだけかしら?じゃあ、日野さん、お願い」

「はい」


とまぁそんな具合で、クラスの誰もがわからない問題を解くんだから凄い。

クラスメイトからは「流石かぐや様だわ」や「私もかぐや様のようになりたい」と言った声が聞こえてくる。

まるで恋をする乙女のようなポーとした目線をおくっている人までいる。......や、恋したこと無いからどんな目線なのかぶっちゃけ分かんないけど。

とりあえず、みなさん。先ほどの顔色の悪さは何処へ。


唯一何の反応を見せていないのは、事情をよく知らない私と興味が無い菜乃くらいだろうか。
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