スパイ・ハイスクール
じろじろ、じろじろ。
“あの子......転入生でしょう?”
“えぇ?こんな中途半端な時期に?”
“転入生とかどうでもいいけど、かぐや様とお話できるなんて羨ましい”
じっとりと変な汗が出る。
やばいやばい。何この目線。それに聞きたいことって何!?
そんな私の心情とは裏腹に、
「こっちは図書館で、その向こうは吹き抜けになってるの。それで、」
かぐやさんは超余裕な顔をして校舎案内を続けている。
参った…。校舎案内をしてもらえるのはとてもありがたいが、目立ち過ぎるのは困る。ただでさえ有紀さんに似ていることで目立っているのに……。
菜乃にでも頼めば良かった!
「寺西さん、きいてる?」
「も、もちろんですっ」