スパイ・ハイスクール
「なんで、そんなに双子なのに性格違うんだろ?すんごい疑問なんだけど」
「俺は、なんでそんなに棗が馬鹿なのか、の方が疑問だよ」
「と・く・さ君?それ、どういう意味かなあ?」
「ははっ。そのまんまの意味だけど?」
「お前っマジで「はい、そこまで。いい加減にやめなさい」
あんたら、2人は、よくも飽きずに喧嘩ばっかり......と、真希はため息をついた。
「あ、そうそう、どこから登場したかというとぉ、奏ちゃんの“能力”使って、外から入ってきたんだぁ!」
姉にコラ、たしなめられたと思いきや、今度は弟のなんとも気の抜けた喋り方。
この黒猫の本部ではコロコロと場面が変わる。
「へえー。奏が能力使うなんて.....珍しい」
「たまには使おうかな、と思っただけだ」
奏の能力は他人に見られる可能性があるため、奏は滅多に使おうとしない。だから、奏が能力をスパイ活動意外で使うなんて、すごく珍しいことなのだ。