スパイ・ハイスクール




「さて、全員が集まったところで新たな依頼のことを説明しようか」

「え?今日はまだ依頼人来てないのになんで!?」

「昨日、棗が任務で居ないときに来た依頼人がいるんだ。でも、双子も徳佐にもまだ言ってないから、全員が初耳の筈だ。少しばかり驚くかもしれないな」


そう言うと、奏はニヤリと得意の腹黒い笑みを浮かべた。

徳佐も何かを悟ったのだろう。少し、顔を強張らせている。おいおい、いい男が台無しだぞ。

徳佐は「何もしなけりゃ美少年」タイプだとつくづく思う。こげ茶の髪は綺麗だし、顔も整ってるし、背も高い。ただし、性格は人が真剣なとき程お気楽だし、常に上から目線だし、なにもかも「余裕」で。

その余裕っぷりが時にムカつく。

だから「何もしなけりゃ美少年」なのだ。

ーーまあ、その余裕も奏の前では無意味のようだけど。














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