スパイ・ハイスクール

大家が調べれば、ペットを隠し飼っている人なんてすぐに見つかるだろう。原はそう思い、その日は安心してベットにもぐりこんだ。

ーーが、ペットを隠し飼っている人は1人も居なかったのだ。

結局「原さんの聞き間違えですよ」と大家に言われ、原は何か不信感を抱えつつもこの騒動は解決したんだ、と思うことにした。




しかし、その騒動は本当に解決した訳では無かったのだ。

なぜなら、それからというものの、毎晩夜9時にあると犬の鳴き声が聞こえてくるようになったからだ。

もしや、幽霊......?!

そんな疑いが原の中で生まれ、最近は寝ることもままならない状態だという。


もう大家にも頼れず、困り果てた原はどんな情報でも調べてくれるという噂の黒猫の元へわらにも縋る思いで訪ねた、という訳だった。



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