スパイ・ハイスクール
「ええぇえぇ!お化けいるのぉー!」
純希は幽霊という単語に完璧におびえているようだ。真希の制服の裾をぎゅっ、と握っている。それに少し涙目だ。まさに保育園児。
そんな純希を見ながら、私は震えていた。
カタカタ、と震えが止まらない。
「どうしたの? まさか、棗まで、幽霊が怖いんじゃ、ないよね?」
そんな私をみかねてか、徳佐が声を掛けてきた。
が、私の震えは止まらない。
「......フッ」
ああ、もう無理だ。
「アッハハハハハハハッッ!!!アハッ、アハハッツッ!」
「笑いをこらえるのは」もう無理だ。