スパイ・ハイスクール

黒猫本部の隅々にまで行き渡るような大声で笑っている私に真希が一言。


「なんでそんなに笑っているの?」


呆れたような目で尋ねられた。そんなの、普段の原とのギャップが凄すぎるから、に決まってんじゃん。


「あの、学校では高飛車で?傲慢な原が?たかが子犬の鳴き声ごときに怖がってるって?アッハハハハッッッ!笑うに決まってんじゃん!あー腹痛ハンパないってこれ!!ッ!ク.....ククッッ」


あー、まずい。本当に止まらなくなってきた。

それにしても、あの原がお化けが怖いなんて。今度当てられた時は、近くで、子犬の鳴き声でも真似してやろうかな。

なんて思うと、酷く怯える原の表情が脳裏に浮かび、また笑ってしまう。


「いや......確かに......ッそうなんだけどさ、馬鹿の一つ......ッ覚えみたいに笑い散、らすのやめな......ッ」


そう言って徳佐は私を止めにかかるが、生憎、お前も微かに笑っているのはバレバレなんだぞ、神谷徳佐よ。

徳佐の肩は私ほど大げさではないが、小刻みに上下している。

きっと徳佐もギャップに相当驚いているのだろう。
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