スパイ・ハイスクール

「ちょっとまってよ。さっきの奏の2人には説明が要らないだとか、棗の異常なオーラだとか、一体2人は依頼人とどういう関係なの?」

「それ、僕も知りたぁーい!!」

純希は、ハイハーイッと手を真っ直ぐ上に挙げている。効果音的には、保育園のときによく言われた「真っ直ぐピンッ」という感じだろうか。その仕草からは高校生という事がまるで分からないのが、凄く残念に思えてくる。


「そうか、2人は知らないのか」


未だ笑いの余韻が残り、答えられない私と徳佐に変わって、奏が答えを返した。幼稚園児が放っていた甘ったるい空気が一瞬にして変わり、ピン、と張り詰める。

奏の声って何気に凄い。いや、奏自身が凄いのか。


「そうだった。この2人は知らないんだった」


まあ、高校が違うから当たり前なんだけど。しかし、真希の方は能力を使って、少し勘付いているようだ。


真希の能力。それはオーラを見ることができる、という能力だ。

私は見たこと無いから分からないけど、真希はオーラを通して、その相手の今の気持ち、状態が手に取るように分かるのだという。ちなみに人・動物など意思を持った相手であれば、誰にでも使えるらしい。

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