スパイ・ハイスクール


こんなにも純希の頭までもが幼稚園児......とまではいかないけれど、バカなのには理由がある。

私・徳佐・奏の3人はそこそこな公立の進学校。まあ、平均より少し上の成績があれば入れる高校だろう。

そして双子は有数のお金持ち学校。

双子の家も奏の家に劣らないお金持ちなんだとか。それに加えて双子の祖父がそのお金持ち高校の理事長。

ということで、双子はその高校に通っているのだ。

姉の真希は真面目な性格からも分かるとおり、成績優秀・才色兼備。対照的に弟の純希は先ほどの「いぬさるのなか発言」からも分かるようにかなりの馬鹿。

しかし、お金持ち学校。学費をしっかり納めていれば、どれだけ馬鹿でも留年ということはないらしい。

それに、テスト前は真希が必死になって純希に勉強を教えるのでテストはそこまで悪くないらしい。

真希の真面目な性格故、「純希の為に教えなきゃ」と本人は思っているようだが、それが純希の「勉強しなくたって大丈夫だぁ」という甘えに繋がっているという事を彼女は知らない。

留年はない。それに真希が教えてくれる。そんな境遇が純希を馬鹿にしている原因だろう、と奏はいつの日か分析していた。
< 40 / 165 >

この作品をシェア

pagetop