スパイ・ハイスクール


「おはよー、棗」

「おい、徳佐。もっとましな方法で起こそうとは思わないのか」


おはよ、という挨拶は、軽く無視されてしまったようだ。

それに......。わお、凄い顔で睨まれてるよ、俺。


「えー、ナニそれ。せっかく起こしてやったのにさ」

「だから!もっとましな方法は!無かったのかよ!」

「......だって、棗、何しても起きないじゃんー」

「いやいや、だからと言って年頃の女の子の足を蹴って起こすなんて、鬼畜過ぎるのでは」

「えっ、この家に年頃の女の子っていたの?へー、初耳」

「とりあえずお前のこと名誉棄損で訴えていい?とりあえず出でけ!!」

「え、っわ」


俺はいつの間にか部屋の外に放りだされていた。


< 44 / 165 >

この作品をシェア

pagetop