スパイ・ハイスクール
「何怒ってんの?」
よくもまあ、いけしゃあしゃあと。
私は目の前の、上から目線野郎を睨みつけながら言った。
「別に怒ってないですー。いつ名誉棄損でお前を訴えようか考えてただけですー」
「あっそ。棗の空っぽな脳なくせに朝から忙しいこった」
そう言って、クスリ、と目の前の野郎は笑ってきた。
......っく!なんなんだ、この敗北感は!いや勝ち負けなんてもともと無かったんだろうけど!!
いつも徳佐は私の言った言葉を何倍にもして返してくる。しかも上から目線で。
その原因はそれに何も言い返せない私が弱いのか。ただ単に、徳佐の上から目線の言葉の威力が凄すぎるのか。
......きっと両方だな。
(......3:7の割合で後者が優勢、かも)