スパイ・ハイスクール
「......うんわっ!もうこんな時間!」
時計を見るといつもならもう家を出ようとしている時間だった。
「御馳走様!」
そのまま箸をバタンッと置く私。行儀が悪い、とかはこの際気にしないで欲しい。でも、真希がいたら100%怒られちゃうな。
そのまま急いで私は居間を走り去った。
そりゃあ、もう、かなり急いで。
だから、私は。気付かなかったんだ。
「ーーー徳佐が起こした日が1番、棗の寝起きがいいって事。あの子達は知らないのかしら」
そんな、お母さんの呟き。
私は気づかなかったんだ。
(本当に、鈍い子達ねぇ)