スパイ・ハイスクール




「で、用件は何な訳?」


時刻は既に時計の2つの針が12と6を指し、ちょうどお昼ご飯の時間になった。

午前中は通常通りでとっても平和な日だ。朝の腹立つ会話はノーカウントの方向で。変わったことといえば、化学の先生が「昨日の満月は綺麗だったねー」 の延々と喋っていたくらいだろうか。普段はあまり、喋らないというのに。

そして今、私達がいるのは指定された空き教室だ。何故そんな所に居るのかって?私もそれが聞きたくて目の前にいる徳佐に質問をしていたところだ。用件は何だ?、と。


「俺も聞きたいんだよねー。だって、ここに集合って言ってきたの奏様だし」


......まじかよ、奏様のご命令かよ。


「ま、大方依頼についてだろうけど」


へらり、と笑いながら「原先生のね」と徳佐は付け加えた。

昨日、純真双子が下調べに行った筈。こうして会う、ということは何か収穫が有ったのだろうか。
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