スパイ・ハイスクール
「う、うわー奏じゃん。い、いつの間にきたの?」
とりあえず、冷静に落ち着いて聞いてみる。
「今来た。そしてお前達が『奏様奏様』と非常に不愉快な呼び名で俺のことを呼んでいるのを耳に挟んでさ?」
完璧にさっきの会話を聞かれてたって事ですね、はい。調子こいて奏様、なんて言ってた1分前の自分が恨めしい。
「お前ら、一体どういうつもりなんだ?」
更に追い討ちをかけるように聞いてくる奏。
......これ、完璧に怒ってるよ!だって目が!目が笑ってないもん!
「「すいません。ちょっと調子にのりました」」
「分かればよろしい」
最早、冗談でかわせるレベルでは無いことを察した私と徳佐は、とりあえず素直に謝ることにした。なんてったって、相手はあの小野寺奏だ。謝らないと、何が起こるか分からない。