スパイ・ハイスクール



とりあえずご飯を食べながら話そうか、ってことで昼食タイム。


「奏、質問なんだけどさ」

「何だ」


購買で買ったパンを食べながら答える奏。


「原が本部に来た時って誰が相手した訳?私も徳佐も双子も違うとなると奏だけど......。原に素顔晒すなんてしてないよね?」

「お前じゃないんだから、当たり前だろうがボケ。たまたま来てた咲夜がしてくれたんだよ」


「ボケ」と言われたことが心にグサッと刺さったのだが、何だか言い返せないから黙っておこう。自分でも「言い返せない」と分かっていることが少し悲しい。


咲夜、というのは奏の古くからの友人で、黒猫本部にもよく遊びに来る少し変わった兄ちゃんだ。前見たときは髪の毛がピンク色だったけど、その前はオレンジだったし。そのくせめちゃくちゃ変態だ。




< 53 / 165 >

この作品をシェア

pagetop